はじめに
中小企業マーケターが直面する課題や疑問
中小企業マーケターは、日々業務を行う中で、多くの課題や疑問に直面することは少なくありません。
大手企業とは異なり、広告予算やリソース、専門的な知識を持ったスタッフの数が限られていることが多いため、どのようにして最大の効果を出せるのか、どのマーケティング戦略を選ぶべきなのかという選択に迫られます。
また、デジタルマーケティングの領域は日進月歩で進化しており、新しいツールやアプローチが次々と登場するため、その全てをキャッチアップするのは非常に難しいのが現状です。
公式教材の存在とその重要性の紹介
このような中で、実は大手のデジタル広告プラットフォームであるGoogleやYahooなどは、マーケター向けの公式教材を提供しています。
これらの教材は、それぞれのプラットフォームの広告を最大限に活用するためのノウハウや技術を詳細に学ぶことができます。
公式教材の最大の利点は、その信頼性と質の高さにあります。
これらは各プラットフォームが公式に提供しているものであり、最新の情報や機能に関する詳細なガイダンスを得ることができます。
また、実際の業務での活用例やケーススタディなども豊富に含まれており、理論だけでなく実践的な知識も身につけることができます。
しかし、これらの教材の存在や活用法は、中小企業マーケターには十分に知られていないのが現状です。
本記事では、これらの公式教材を効果的に活用する方法やその重要性について、詳しく解説していきます。
なぜ公式教材を利用するべきか
公式教材の信頼性と質
公式教材は、その名の通り、各プラットフォームの公式チームが作成・提供する教材です。
これには、特定の広告やマーケティングツールの機能、使用方法、最適化のためのヒントなど、実際の運用に必要な情報が網羅的に含まれています。
最大の特徴は、その「信頼性」です。
公式教材は、プラットフォームの最新の機能やアップデートに基づいて随時更新されるため、情報の鮮度や正確性が保証されています。
また、情報の「質」も非常に高いといえます。
具体的なケーススタディや実例をもとにした説明、ツールの使用方法など、専門家やプロフェッショナルからのフィードバックを元に精緻にまとめられています。
公式教材は、プラットフォーム内の様々な事例を参考にしたうえで、再現性の高い内容を学習できるように構成されています。
再現性の高い内容を学習することで、実務においてもそのマーケティング成果を再現できる可能性が高くなります。
特に、リソースが少なく失敗がしづらい中小企業においては、再現性の高い手法を学ぶことで、より効果的なマーケティングが実現可能になります。
公式教材を用いた学習の効果やメリット
公式教材を使用することで、以下のような効果やメリットが期待できます:
- 正確な情報を短時間で習得:手っ取り早く、正確かつ実用的な知識を習得することができます。
- 再現性の高い手法を学習可能:プラットフォームで実施された手法の中で、再現性が高い内容がまとめられています。そのため、自社のマーケティング施策に応用した場合でも、内容を再現できる可能性が高いです。
- 理論と実践のバランス:実際の業務での活用例やケーススタディが多く含まれているため、理論だけでなく実践的な知識も身につけることができます。
- 最新のトレンドや機能のキャッチアップ:マーケティングの世界は日々変わるもの。公式教材はその変化に応じて更新されるため、常に最前線の情報を手に入れることができます。
- コストパフォーマンス:多くの公式教材は無料で提供されているため、質の高い情報を低コストで習得することができます。
このように、公式教材を用いた学習は、信頼性と質の高い情報を手に入れるための最良の方法と言えます。
公式以外の教材のメリット・デメリット
公式教材は高い信頼性と質を誇りますが、他にも多くの学習リソースや教材が存在します。
それらの教材も、公式教材とは異なる特長を持っています。
公式教材がシンプルな構成になっているのに対し、一般の講師による講座はユーザーを引きこむようなエンタメ表現を活用するなど、とても工夫されています。
その分、個人の視点に基づいていることも多いことと、基本的にビジネスの側面があることから、情報の偏りがあったりもします。
以下が、公式でない教材のメリット・デメリットです。
■メリット
- 多様な視点:独自の視点や経験を持つ著者やクリエイターからの情報を得ることができます。これにより、多角的な視点や新しいアイディアに触れることが可能です。
- 実践的なテクニック:実際の業界で働いている人々が直面する課題や解決策、ノウハウなどが詳しく紹介されることがあります。
- エンターテインメント性:YouTuberやブロガーなどのコンテンツは、教育的な要素だけでなく、エンターテインメント性も兼ね備えていることが多いです。
■デメリット
- 情報の正確性:公式ではない教材や情報は、その正確性や最新性が保証されていない場合があります。古い情報や誤解を招く内容が混入している可能性があります。
- 質のばらつき:質の高いコンテンツも多い一方で、それほど有益でない、あるいは表面的な情報も少なくありません。
- ビジネスモデルの影響:アフィリエイトやスポンサーシップなど、収益モデルが内容に影響を与える場合があります。そのため、客観的でない情報や、ある特定の製品やサービスを過度に推進する内容に出会うこともあります。
公式教材以外のリソースも、その特性や目的に応じて適切に活用することが重要です。
どの教材やリソースを選ぶかは、自身のニーズや学習の目的に合わせて慎重に選択することをおすすめします。
公式教材を活用した学習法
学習のスケジュール作成や進め方の提案
公式教材を効率よく学ぶためには、明確な学習スケジュールの設定が不可欠です。
- 目的の明確化:何のために学ぶのかを明確にしましょう。資格試験の合格、実務能力の向上、新しいスキルの習得など、目的を持つことで動機付けが強まります。
- 週単位での計画:教材の全体量を確認し、週単位でどれくらいのペースで進めるかを計画します。例えば、1週間で3章を完了するなど。
- 毎日の学習時間の設定:一日の学習時間も決め、それを守るよう努めましょう。短時間でも継続することが大切です。
公式教材の情報と、他の有益なリソースとの組み合わせ方
公式教材は信頼性が高い反面、視点や情報が一定の枠組みに限られることがあります。
これを補完するために、他のリソースを組み合わせる方法を考えます。
- 動画コンテンツの活用:YouTubeやオンライン講座など、動画での解説を探し、公式教材の内容を補完・深化させましょう。
- 実務経験者のブログや記事:実際の業界の動向や現場でのノウハウは、公式教材だけでは学べません。現場の声を拾うためにも、ブログや記事の参照が有効です。
模擬問題や実際のケーススタディを利用した実践的な学習方法
理論だけでなく、実践を通じての学習も非常に効果的です。
- 模擬問題の活用:公式教材や他のリソースで提供される模擬問題を定期的に解き、自分の理解度を確認します。
- 実際のケーススタディ:企業の成功事例や失敗事例を通じて、具体的なケースを元に学ぶことで、抽象的な知識が具体的な形で頭に残りやすくなります。
- 実務での応用:公式教材で学んだ知識をどのように現場で活用するかの例やヒントは、公式教材だけでは得ることが難しいことが多いです。この部分も、外部のリソースや経験者の意見を取り入れることで補完していくことが推奨されます。
効率的な学習のためのテクニック
公式教材の学習には独自のアプローチが求められることが多いです。
以下は、そのコツとなるポイントです。
- アクティブラーニング:単に教材を読むだけではなく、自分自身で問題を解いたり、要点をまとめてみることで理解が深まります。
- スペースドリピティション法:一度学習した内容を、時間を置いて何度も復習することで長期記憶に移行させる効果があります。
- ピアラーニング:他の学習者とのディスカッションや情報交換は、新たな視点を得る手助けになります。
主要な公式教材の紹介
大手プラットフォームの公式教材紹介
Google Skillshop
Googleでは、デジタルマーケティング全般や、Googleのプラットフォームについて学習教材を提供しています。
一般の中小企業マーケターであれば、太字の3つがオススメです。
Googleアカウントが必要となりますが、すべて無料で利用可能です。
- Googleデジタルワークショップ
- Google広告
- Googleアナリティクス
- YouTube
- Googleマーケティングプラットフォーム
- Googleアドマネージャー
- Waze Academy
- Google AdMob
- 認定バイヤー
- Android Enterprise Academy
- Google for Education
また、Googleでは公式の認定資格も用意しています。
知識定着のために活用してみるとよいと思います。
中小企業マーケターでしたら、太字の4つがオススメです。
Google Skillshop内の「認定資格」からたどることができます。
- Google 広告「検索広告」
- Google 広告「ディスプレイ広告」
- Google 広告「測定」
- Google アナリティクス
- Google 広告「動画広告」
- AI を活用したパフォーマンス広告
- Google 広告「クリエイティブ」
- オフライン販売促進
- ショッピング広告
- Google 広告「アプリ」
- Google 広告「検索広告」プロフェッショナル
- Google 広告「ディスプレイ広告」プロフェッショナル
- Google 広告「動画広告」プロフェッショナル
- 検索広告 360
- クリエイティブ
- キャンペーン マネージャー 360
- ディスプレイ&ビデオ 360
- モバイル エクスペリエンス
なお、Google Skillshopは英語と日本語が混在しており、分かりにくい部分があります。
サイトの最下部で言語選択ができますが、日本語が提供されていない場合もあります。
Google Chromeを使用している場合、右クリックで「日本語に翻訳」することも可能です。
■Google Skillshop(Google公式サイト)
https://skillshop.exceedlms.com/student/catalog
Yahoo!広告 キャンパス
Yahoo!では、デジタル広告を中心とした学習プログラムを用意しています。
日本の教材なので、分かりやすいのが特徴です。
氏名などの簡単な登録だけで、無料で利用可能です。
また、下記3つの認定資格が無料で受験できます。
オススメは「Yahoo!広告 ベーシック認定資格」です。
ちなみに、以前は有料で試験センターで受験していました。
現在はオンラインで無料受験できるようになったようです。
- Yahoo!広告 ベーシック認定資格
- Yahoo!広告 ディスプレイ広告 アドバンスト認定資格
- Yahoo!広告 検索広告 アドバンスト認定資格
■Yahoo!広告 キャンパス
https://marketing.yahoo.co.jp/service/yahooads/yahooads_campus/
Meta Blueprint
Meta(Facebook、Instagram、Messenger、Whatsapp)では、無料の学習プログラムを提供しています。
デジタルマーケティング全般と各プラットフォームごとの学習教材です。
Metaアカウントが必要ですが、無料で利用できます。
学習プログラムは幅広く提供されており、各プログラムをコースとして整理しています。
コースを選択して学習すると体系的に学習できます。
コースには次のようなものがあります。
- 中小ビジネス向け
- ブランドおよびエージェンシー向け
- 求職者向け
- 教育者向け
- 非営利団体向け
- コミュニティリーダー向け
- 開発者向け
また、公式認定資格も準備されています。
なお、2023年9月現在は日本語での受験はできないようです。
- Meta認定デジタルマーケティングアソシエイト
- Meta認定マーケティングサイエンスエキスパート
- Meta認定クリエイティブ戦略エキスパート
- Meta認定メディアプランニングエキスパート
- Meta認定メディアバイイングエキスパート
- Meta認定コミュニティマネージャ
- Meta認定Meta Sparkクリエイター
こちらも日本語と英語が混在しているため、わかりにくい部分があります。
■Meta Blueprint(Meta公式サイト)
https://www.facebook.com/business/learn
Twitter Flight School
Twitterでは、Twitterの基礎知識と、Twitter広告についての学習プログラムを提供しています。
他社教材に比べると、Twitterに特化した内容になっています。
Twitterアカウントでのログインが必要ですが、無料で利用可能です。
各コースが設定されており、自分のポジションに合わせて受講するとわかりやすいです。
- クリエイティブ
- eコマース
- 投資
- オペレーション
- パフォーマンス
- 計画
- 戦略
また、「Twitter Flight Schoolバッジ」と呼ばれるスキル認定試験もあります。
■Twitter Flight School
https://www.twitterflightschool.com/student/catalog
Amazon 学習コンソール
Amazonでは、Amazon広告やAmazonストアなどについての学習教材を提供しています。
Amazonアカウントの登録が必要ですが、無料で利用できます。
■Amazon 学習コンソール(Amazon公式)
https://advertising.amazon.com/ja-jp/resources/learning-console
Tiktokアカデミー
Tiktokでは、Tiktokについて学べる学習教材を提供しています。
Tiktokアカウントのログインで無料で利用できます。
■Tiktokアカデミー(Tiktok公式)
https://my.academywithtiktok.com/learn
LinkedIn Marketing Labs
LinkedIn Marketing Labsでは、LinkedInやLinkedIn広告についての学習教材を提供しています。
アカウント登録は必要ですが、無料で受講可能です。
また、下記の認定資格も用意されています。
- LinkedIn広告の基礎
- マーケティング戦略
- コンテンツ制作 & クリエイティブデザイン
■LinkedIn Marketing Labs
https://training.marketing.linkedin.com/page/ja
Hubspot Academy
Hubspotでは、インバウンドマーケティングやHubspotツールなどに関する学習教材を提供しています。
アカウント登録が必要で、その際に自分のWebサイトを登録する必要があります。
利用自体は無料となります。
■Hubspot Academy
https://academy.hubspot.jp/
Pinterest Academy
Pinterestでは、Pinterest広告についての学習教材を提供しています。
「Pinterest アドエッセンシャルバッジ」という資格も付与しています。
■Pinterest Academy
https://www.pinterestacademy.com/student/catalog
Snap Focus(Snapchat)
Snapchatでは、Snapchat広告についての教材と認定資格を提供しています。
■Snap Focus
https://focus.snapchat.com/student/catalog
その他の信頼性が高い教材
LinkedInラーニング
LinkedIn Marketing LabsはLinkedInの情報がメインですが、LinkedInラーニングは様々な分野の学習コンテンツがあるオンライン学習プラットフォームです。
無料で受講できる講座と月額課金が必要な講座があります。
無料トライアルも可能です。
LinkedInが提供している講座と、大手プラットフォームなどが提供している講座は無料で提供されているものもあるため、活用することができます。
なお、LinkedInラーニングは、講師登録に審査が設けられているようなので、講座の質はある程度保証されていると思われます。
■LinkedInラーニング
https://www.linkedin.com/learning/
■データ分析の基礎知識 by Microsoft x LinkedIn
https://www.linkedin.com/learning/paths/5a1041c1-5f84-3e0d-9566-6ac07380f710
Coursera
Courseraはオンライン学習プラットフォームです。
海外の大学や、Google、IBMなど、幅広く信頼性の高い組織が学習教材を提供しています。
基本的に英語ですが、動画内では日本語翻訳が表示できるものもあるため、学習は可能です。
設定期間も週10時間×半年などとなっており、少し本格的な学習が可能です。
月額課金型で、リーズナブルに質の高い講義を受講できます。
■Coursera
https://www.coursera.org/
■Google Digital Marketing & E-commerce プロフェッショナル認定証
https://www.coursera.org/professional-certificates/google-digital-marketing-ecommerce
■IBM Data Science プロフェッショナル認定証
https://www.coursera.org/professional-certificates/ibm-data-science
■Meta Social Media Marketing プロフェッショナル認定証
https://www.coursera.org/professional-certificates/facebook-social-media-marketing
edX
edXはオンライン学習プラットフォームです。
海外の大学などが講座を提供しており、質の高いマーケティング講座が受講できます。
なお、すべて英語です。
- 大手プラットフォームの多くは公式教材を提供している
- 公式教材は信頼性があり質が高い
- 公式でない教材もメリットがあり、使い分けが必要



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